リブナビプラス
18/46

4column戸ヶ里 泰典大学院(文化科学研究科)生活健康科学プログラム准教授 生活健康科学プログラムにおける文献検索 生活健康科学プログラムは、健康領域、生活領域、福祉領域に分かれています。それぞれ指導教員のバックグラウンドはバラエティに富んでいます。さらに、健康領域、生活領域では、その中でも自然科学系と社会科学系のバックグラウンドをもつ先生にわかれています。 自然科学系の研究の場合、どの領域であってもきわめて多くの研究の蓄積がある場合が多いです。そのテーマに関連する研究の蓄積をたどり整理・批評していく作業がレビューで、その際に文献の検索技術が必要になります。また、多くの国々に類似テーマに関心ある研究者が散らばっていますので、共通言語である英語で記述された論文が主になります。したがって、医学系・健康科学系・栄養学系などの研究ではPubMedなどの頑健な英語論文データベースを駆使し、一定の検索方法の元で系統的に論文を検索していくことが必要です。その一方で、国際誌を中心に、こうした系統的レビューの結果をまとめたレビュー論文という種類の論文も数多く掲載されています。このレビュー論文を探し出して参照することも研究を効率的に進めるうえでのカギになると思います。 トムソン・ロイター社が運営するweb of scienceという自然科学系・社会科学系を網羅したデータベースに登録されている研究論文を掲載する学術雑誌には、インパクトファクターという、年間平均引用回数を示す値がつけられます。とくに自然科学系・医学系の研究者の間では、その値を重視する傾向にあります。つまり世には類似テーマの玉石混交、膨大な数の論文がありますが、インパクトファクターが高い雑誌に掲載されている論文は多くの論文に引用されがちなので、信用できる可能性が高い、という考え方です。ただし、研究領域によって、値の水準が大きく異なるので、確認のうえ、高い値の雑誌から検索するということも一つの方法であろうと思います。また国内雑誌はごく少数ですので注意が必要です。 ほかに、著者名を手掛かりにデータベースを検索していくということも効果的な場合が多いです。特に自然科学系はグループで研究を行うことが多く、論文検索を続けていると関心あるテーマについて同じ著者名や研究グループが度々登場していることに気づくことがあります。逆にその著者名から、その方々がどのような研究をしているのか論文検索していくと、重要な研究成果を発見しやすいこともあります。 社会科学系の研究の場合でも、基本は自然科学系の研究と同様です。様々な論文データベースから、系統的に文献を検索しレビューしていくことが重要です。ただし、自然科学系ほど膨大に研究蓄積があることは多くなく、逆に一つの研究論文で明らかにされる知見の分量が多く、研究テーマも多様です。Google scholarやCiNiiなどのツール、データベースから検索するのも良いですが、自身のテーマに関して、関連する重要な研究論文を掲載している有名な学会誌、学術雑誌があるはずですので、指導教員に確認の上、CiNiiなどの絞り込み検索を用いてその雑誌の中から検索していくことも、良い研究を探し出す一つの方法でしょう。また、社会科学系では、国内の学術雑誌にも優れた研究が掲載されている可能性が高いのも特徴と思います。 また、社会科学系の場合は、雑誌論文だけでなく、成書の中に優れた学術書が多くあり、研究遂行において大いに参照する必要があります。特に国外の学術書は数が多い分優れたものも多く、放送大学では契約している電子ブックを通じて記事のコピーを手に入れることもできます。こうしたことからもEBSCOディスカバリーサービスは特に社会科学系の研究を進める上で大変に有力な検索手段になると思います。 福祉領域では、社会科学系の研究が多いですが、その中でも指導教員によっては法学系の研究が行われることもあります。その場合法令データや判例集など、文献の検索法や引用法が、上記に示したものとは異なることも間々あります。ここでは説明を割愛しますが、指導教員とよく相談して進めることが重要です。 以上、生活健康科学プログラムにおける文献検索について示してまいりました。本プログラムは、研究領域はバラエティに富んでいますが、学際性がある領域ともいえます。文献はご自身の研究テーマ・領域に沿って読んでいくことが重要ですが、分野を超えた論文・文献を目にする機会もかなり多いかもしれません。しかしそういう時は食わず嫌いせず、貪欲に目を通してみてください。そうすることでユニークなアイデアの発見につながるかもしれません。逆にそうした本プログラムならではの機会を大事にしてほしいとも思います。16

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です