本学附属図書館では、ちりめん本、平紙本、茶表紙平紙本の三種類の版を所蔵しています。ちりめん本と平紙本の主な違いは縮緬加工の有無ですが、茶表紙平紙本は、表紙及び内部ともに墨一色刷りとなります。表紙は茶色の和紙に活版刷の簡単な題箋が貼付されているのみで、主に国内で外国語の教科書として使われていたようです。
ここでは「舌切雀」の例で各版の違いをご覧ください。
本学附属図書館では三種類の仕掛本を所蔵しています。それは「八ツ山羊」「野千の手柄」「羅生門」の三冊の平紙本で、仕掛は夫々一ヶ所ないし二ヶ所施されています。仕掛といっても簡単なもので、貼り付けた紙をめくると中から別の絵柄が出てきたり、折り込まれた紙を開くと絵柄が広がるといった程度のものでした。仕掛はちりめん本には向かず平紙本のみに施されました。
ご覧のように大変興味深い仕上がりとなっています。