西洋の日本観

10. グスマン 『東方布教史』 1601年

GUZMAN, Luis de. Historia de las missiones qve han hecho los religiosos de la Compañia de lesvs, para predicar el sancto euangelio en la India Oriental, y en los reynos de la China y Iapon. En Alcala, por la biuda de Iuan Gracian, 1601. / Folio, two volumes Pagès 87; Cardier BJ240-241; Palau 111814; Streit V.14; Laures 254.


グスマン 『東方布教史』 1601年


 ルイス・デ・グスマンはアルカラの大学で学んだのち1563年イエズス会に入会。ベルモンテの学院長をつとめていた!584年、天正遣欧使節がこの地を訪間し、グスマンも面会しています。晩年はトレドの管区長をつとめています。

 この『東方布教史』はザヴィエル以来、ほぼグスマンの同時代に至るまでの歴史を描き出しています。今日ではもはや散逸したスペインのイエズス会が保持していた資料を縦横に駆使し、他のイエズス会著作者には稀れな簡明、率直な筆致で述べていることは大きな特長といえるでしょう。「東方」とはいえ、インドや東南アジア、あるいは中国に関しては大冊二巻のほぼ四分の一を占めるに過ぎず、第一巻の後半ならびに第二巻のほとんどは日本布教史となっています。十六世紀末の日本に関して、同時代のヨーロッパが手にすることのできた知識の総合が見出される文献として著名。

邦訳:新井トシ訳『東方伝道史』(丹波・1944-45)(197/G97/2階保存庫)